2016年度 卒業・修了研究


大学院 教育学研究科

前田 彬

MAEDA Aki

「空間へのドローイング」

いつも気付かない内に、歩きだしている。

この先に起こる事が気になって。

 

必死な時が一番安心する。

その時が終わると、僕はその時間の事を忘れてしまう。

また歩き出してしまうから。

 

歩いていない時が一番怖い。

今に押しつぶされそうになる。

そして、何もしてこなかった自分の事が嫌いになる。

 

怠惰な自分は戒めよう。

でも僕は本当に何もしてこなかったのだろうか?

 

この3年間を振り返ろう。

文章で書いてしまうとかっこいい言葉を選んでしまう。

 

そして、話してみよう。

また自分の今までを忘れて、押しつぶされてしまいそうになった時。

僕の足跡が残っていることを、僕自身が確認できるように。

“a walking man as he creates”

2017


映像作品 / セルフドキュメンタリー


教育学部 美術教育専修

仲宗根 みなみ

NAKASONE Minami

陶芸表現における個々と多々の関係性

私の脳裏に焼き付いて、忘れられない場所。

私の記憶の場所。

「場所」は、複数のモノたちの存在で成り立っている。

その場所のモノたちは、私の気づかないところで、

小さな変化を重ねている。

変化していく「場所」を、焼くと変化しない「土」に刻みたい。

私は個であるが、私の記憶の場所(個々)が集まることで、

私(多々)になる。

私は個々であり、多々である。

つながるおさら - 1F 5F

陶器

15 × 24 × 17.2cm

左 / つながるおさら - 陶芸室 01

右 / つながるおさら - 陶芸室 02

陶器

16.5 × 14.5 × 6.6cm

つながるおさら - 帰り道

陶器

16.5 × 14.5 × 6.6cm



照屋 美紗

TERUYA Misuzu

収集

私には幼い頃から気に入ったもの、美しいと感じるものがある

宝石 香水瓶 携帯電話 人 もの 地図 記号 ...

 

どうしてもこれらを大量に集めたいので、紙媒体で大量に集めている

切り抜いて種類ごとに分類し一纏めにする

 

しかし、これは「収集」過程の一部である


『ヒト』

紙、硬化樹脂


17.5×21.8×4.6cm

『チズ』

62 × 47cm

『キゴウ』

部分



亀島 英莉

KAMESHIMA Hirari

「記憶、あるいは白昼夢」

人々は

誰もが持っている昔の記憶を

風景・場所・人物・言葉・遊び・モノ・感情...

“ 記憶の鍵 ” によって思い出す

 

思い出した過去や

新たな一瞬の出来事・白昼夢や空想は かけら

“ 記憶の欠片” だ

 

“ 鍵 ” はどこにでもある

それによって生まれる “ 欠片 ” は、私の生きている一瞬である

私を形成するのは、“ 記憶の欠片 ” たち

 

やはり、やめることなく繰り返す「記憶、あるいは白昼夢」は大方、“ 私自身 ” なのだろう


『記憶の欠片(時々、白昼夢)』


木材、布、言葉、文、写真用紙、ノート 等


関 涼香

SEKI Ryoka

「傘と空間」

傘をさした時、その中の空間は絶対的に「自分の世界」でありながら外側からの 影響に対して非常に弱く頼りない。外側に良くも悪くも影響される「自分の世界」 とは,すなわち「自分自身」そのものなのではないのか。

 

それは本当に「守られている」ことになるのか。

自分と世界はどのように越境するべきなのか。

そもそも自分とはいったい何処にいるのか。

 

そんなことを考えながら私は傘をさすのである。

『越境』(部分)

傘、映像

サイズ可変