2021年度 卒業研究


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江里 綾乃

ERI Ayano

 

【ペットボトルなんて嫌い】

 

リサイクル工場を見学して、

処理をすればするほど、回収してくれる業者に負担がかかることを知った。
私に出来ることは無いかと考え、ペットボトルを用いた制作を考えた。
しかし、実際に制作を始めてみるとペットボトルの素材としての魅力に気がついた。
厄介者扱いされるペットボトルだけど、本当に嫌なのは、このペットボトルを
完全になくすことは出来ない現状で、ペットボトルは悪くない、

そう考えるようになっていた。

私は日常生活の中で、

上手く言葉にはできないが不信感を抱くものがたくさんあった。
ペットボトルは私にとって何なのか。
それは、私が日常生活で思っていることの象徴である。

「向き合う」

ペットボトル、テグス 

サイズ可変

ペットボトルの口と底で作られた立体。
影が立体よりも大きく、重なりやペットボトルの反射が美しい。

ペットボトルの側面で作られた立体。

千鳥格子柄の立体が影にも映って美しい。 



 

 前原 李成

MAEHARA Risei

 

【ヤコウ、サクラ、漉き重ねて】

 

 私が幼い頃から好きだったものを材料にして、

紙を漉くことがこの研究の始まりだった。
 寒緋桜の繊維と夜光貝の貝殻を楮と共に漉き込み、手漉き紙にすることで、
私が寒緋桜に感じていたおおらかさと、

夜光貝に感じていた安心感を表現することを目指していた。
 はじめは桜の繊維と貝の欠片を上手く調和させる事が

自分のゴールであると感じていた。

紙漉きに取り組んでいく中で、

「なぜ私は桜と貝に惹かれ続けているのか。」という問いが生まれた。
私が感受した心地よさとその時の記憶は、温もりによって留められており、
私の中に根付いている。

その様子を『螺旋』『記憶』という二作品で表現している。

「螺旋」(一部)
  楮、寒緋桜、夜光貝

サイズ可変

寒緋桜のおおらかさからイメージを膨らませた作品

「記憶」
 楮、寒緋桜、夜光貝

サイズ可変

寒緋桜と夜光貝から感じた温もりをイメージして制作した作品。
私が好きだったものを眺めたり拾い上げた際に感じた、自分が包まれるような温かさを可視化させ、手漉き紙を実際に包まることが出来るような形状に張り合わせ、加工した。


 

佐々木 郁也

SASAKI Fumiya

 

【青い春は僕を照らす】

 

SNSにある写真を通して感じ、口にする他者の青春。
よく聞く言葉だが、青春とは何なのか。
僕が撮った写真にも、青春が写っているだろうか。
自分にとって青春とは、どんな存在なんだろうか。
僕は、その言葉を識りたい。

「青い春」

PET樹脂、アクリル

29.7×21(cm)


「青い春」 
PET樹脂、アクリル、プロジェクター
サイズ可変


 

江田 幸恵

EDA Sachie

 

【壁画制作がもたらす地域理解、コミュニケーションの可能性を探る】

 

 まちを歩くのが好きだ。

歩くだけでなく、地域の人々と関わることができれば、
表面的なところだけではなく、その場所についてもっと知ることができるのではないか。
自分の好きな美術をまちとコミュニケーションに結びつけると、

「壁画」というテーマが浮かんだ。
絵もコミュニケーションも得意じゃないけど、挑戦してみたい。

じゃあ、やってみよう。
地域の中で他者と行う壁画制作を通して、沢山の感動に出会うことができた。

「奥武島防波堤壁画」(一部)
  南城市奥武島防波堤、ペンキ

約140m

壁画制作がもたらす地域理解、コミュニケーションの可能性を探る

南城市・奥武島での壁画制作・実践報告冊子
  冊子、全38ページ


 

上地 彩音

UECHI Ayane

【水-イルカ-やきもの】

 

 水に触れたり、眺めたり、水音を聞いたり…
いつも どこかで 水を感じていたい。
水はベールのように包みこみ、
私との境界を曖昧にして隠してくれる、受け入れてくれる存在。

目に映るのは一部分
見え隠れしている その先は?
ほら、向こうに見える
ベールの中のイルカを見つけ出して…。

「水は私を包むベールであり、イルカはベールに包まれた私である」 
陶器

サイズ可変